愛知県東郷町の家 第3話:背中がむず痒い<短編間取り小説>

 

 

 

 

朝7時45分
毎朝、1分の違いもなく、研二は家をでる
自転車に乗って、役場まで向かう

仕事は単調だが結構楽しい
理由は、自分のルーティーン通りに
なっているからだ

机の上、引き出しの中、
全て定位置にある

自分の部屋も同様に気持ちいい
全て完璧な定位位置にある

ハムスターを部屋で飼っているが、
そのハムスターさえも行儀良くいつも
同じところに座り、
同じ時間に同じ方向に回っている
可能性がある(笑)

 

ただ、家族と暮らすというのは
自分のルーティーン通りにはいかない

嫌ではない、怒りもない
でも崩れると背中がむず痒くなる(笑)

カナが生まれて、私の人生は大いに変わった

子供と暮らすとはこんなに研二の思い通りに
ならないことなのか・・・

 

赤ちゃんの時はまだしも、
カナが高校生の時なんかは
容易にトイレにもいけなかった

パパの後は絶対に嫌とのこと・・・

そして、ここ数年は妻の聡美さんがすごい

急に「私起業する!」って言い始め、自分で
セミナーに行くし、最近は自分でセミナーも
しているらしい

それはいいが、、、

 

食事の時間もお風呂の時間も
ルーティーン通りにいかない

夜、遅くにご飯が食べたいという聡美さん(笑)

急に、インスタに投稿するためにクッキーを焼いて
食べて感想いってといいう聡美さん(笑)

明日のセミナーに来て行く服を
3回見せてくる聡美さん(笑)

研二はもちろん嫌ではない

問題はないのだが、ルーティンーンが
崩れると今だに、、、背中がむず痒い(笑)

 

そして、なんと
カナが俊くんと結婚して2年
孫が生まれるらしい
お産は実家でと考えているらしい

研二は家を見渡して考える

孫の寝る場所の配置・孫のお風呂の位置
お湯の置き場所・ストーブの場所
加湿器・おむつ・ベビーベット・おもちゃ

研二はふと思った

家族と暮らすということは
当たり前だけど
自分の思い通りにはならない

 

でもどう家族が普通になんとなく
幸せに暮らせるかを考えることは
とてもとても幸せなことだと

そして、これが家族と生きることかと、、、
そして、研二の幸せでもあることかと、、、

きっと、いつか私の背中がむず痒くなるのも
なくなるだろう・・・(笑)

 

最近、飼っているハムスターが
逆回りに運動ができるようになった!

おわり

 

 

【タブチ考察】
家族と暮らすということは、家族と一緒に歳をとるということですよね。

当たり前のことですが、今の一瞬一瞬を考えて生きているから、

先は見えなくなるし、冷静に先を考えてもどうなるかわからない。

最近はシェアハウスや拡張家族と暮らす人も増えてきました。

人は1人では生きれない。だから、家族や仲間と暮らすために、

どのような間取りにするか、考える必要があります。家を考えるということは、

どう家族と仲間と関わるかを考えるということだと思います。

そんな打ち合わせを一緒に株式会社house stageとしましょう

 

タブチ キヨシ

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